人参の栄養について
にんじんの栄養と機能性 にんじんは、なんといってもビタミンAが豊富だということが特徴です。80g程度のMサイズなら1本で、200g程度のLサイズなら約半分で1日分のビタミンAを摂取できます。ビタミンA効果を示す食品成分には、レチノールとカロテンの2種類がありますが、植物の場合はカロテンとして含まれています。
まず、眼球の表面に粘膜の層をつくり涙をつなぎ止め乾燥から目を守ります。
また、ビタミンAはタンパク質とともにロドプシンという光を感受する物質となります。ロドプシンは、暗いところでの視力を保つ機能(暗反応)に関わっています。
さらに、ビタミンAはたん白質の合成に欠かせないので、胃腸や気管支といった粘膜を正常に保ち皮膚の状態を整える働きもあります。
これからの季節に強くなる紫外線は有害な活性酸素を生み出し、体をさびつかせます。紫外線に常にさらされている動植物は色素によってこの害から身を守っていますが、β-カロテンなどの色素は人間にも有効に働き、日焼けやシミを予防してくれます。
オレンジ色以外に最近では赤や紫、黄色といったようにカラフルなにんじんも見かけるようになりました。紫色はポリフェノール類が、赤い金時にんじんにはリコペン、黄色い島にんじんにはキサントフィル類が豊富に含まれています。
にんじんに含まれるカロテンは脂溶性ビタミン。ドレッシングをかけたり、油と一緒に調理することで吸収力がアップします。
一方で、にんじんにはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素が含まれています。これは、すりおろすと活動が活発になる特徴があるので、ジュースや“もみじおろし”などにするときは、直前に混ぜたり、レモン汁を加える、加熱するなどの工夫でビタミンCの損失を最小限に食い止めましょう。
カロテンは皮の部分に一番多いのでよく洗って、皮ごといただきましょう。皮を使ったきんぴらなどもおすすめです。
水気があると腐敗しやすくなるので、十分に乾燥させて夏場は冷蔵庫の野菜室、冬場は冷暗所に保管します。また、高温と日射により呼吸作用、蒸散作用が活発になり成分が消耗していまいます。湿気と高温を避ければ非常に保存の利く野菜です。上手に保存しましょう。